Xamarin 日本語情報

Xamarin(ザマリン) の代理店だったエクセルソフト田淵のブログです。主に Xamarin に関するエントリーをアップしていきます。(なるべく正しい有益な情報を掲載していきたいと考えていますが、このブログのエントリーは所属組織の公式見解ではありませんのでご注意ください)

Xamarin Android Device Manager でエミュレーターを管理するには

こんにちは。エクセルソフトの田淵です。

経緯

Android 開発で Emulator を使用する場合は、Google Android Emulator を Intel HAXM で使用するのが業界標準となっています。

Emulator の管理は Android SDK に付属していた Android Device Manager を利用していました。が、Android SDK 26 からは Emulator の管理に Android Studio に付属のツールを使う事が推奨され、Android SDK から Android Device Manager が無くなってしまいました。

Xamarin ユーザーさんの中には、Android Studio をインストールしていない方もいらっしゃるため、このままでは Android SDK のバージョンを上げないか、Android Studio を追加でインストールするしか方法が無くなってしまうところでした。

そのため、Xamarin が独自に Android Device Manager を用意しました。それが、Xamarin Android Device Manager です!Android Emulator の管理が楽に出来るようになっています。

また、今まで Intel HAXM を使えない環境(AMD の人とか、Docker for Windows を使っている人とか)でも、Windows 10 April 2018 Update からは、Google Android Emulator が Hyper-V 上でも動作するようになります(Hyper-V Android emulator support | The Visual Studio Blog)ので、Windows での Android 開発がかなり快適になるのではないでしょうか。

Xamarin における Android Emulator の歴史を少し

初期:ARM Emulator

中期:Intel HAXM Emulator や Xamarin 製の Emulator、Microsoft 製の Emulator が乱立

現在:

という感じです。

Hyper-V Android Emulator については解説記事が出ていますので、ご覧ください。

Hyper-VでサクサクAndroidエミュレータを使おう - Qiita

Xamarin Android Device Manager とは

Xamarin 製の AVD(Android Virtual Device)管理ツールです。

公式ドキュメントは Managing Android Emulators with the Xamarin Android Device Manager - Xamarin | Microsoft Docs です。

以下のように作成、編集、初期状態への復帰など各種作業が行えます。

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経緯として、Android SDK 26 からは、Android Studio を使えということで、単体で動作する GUI 付きの AVD Manager/SDK Manager がなくなってしまったため、作った。ということのようです。

Windows だと Visual Studio 2017 のメニューから「ツール>AndroidAndroidバイスマネージャー/Android SDK Manager」の部分です。

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まず、Xamarin チームでは独自に SDK Manager を作成しました。今皆さんが使っている以下の画面のやつです。

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余談ですが、Xamarin Android Device Manager が無かったころ(26 がリリースされて半年くらいですかね?)は、AVD Manager も無くなってしまうため、Android Studio をインストールしていない方は AVD を作ったり編集したりする方法が無かったということになります。そのため、上記画像の「Android SDK Tools 26.x」をインストールしようとすると、以下のダイアログを表示して、26 を使わないようにしてもらっていました。

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現在は 25.x を使うか、Xamarin Android Device Manager をインストールするダイアログになっています。
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次に Xamarin Android Device Manager が出来たという感じです。

Xamarin Android Device Manager の使い方

インストール

システム要件は以下です。

インストール方法なのですが、SDK Manager で「Android SDK Tools」のバージョンを 26.x.x に変更すると、上記ダイアログが出て、「Install AVD Manager」をクリックするとそのままインストーラーをダウンロードしてインストールが開始されます。WindowsMac も同じ動作だったかと思います。

Android SDKVisual Studio と一緒に入れておらず、別で管理している方は、Android SDK のパスを設定するやり方が 公式ドキュメント に書いてあるのでそちらを参考にしてください。(私はこれに気付かず、Visual Studio 側で Android SDK をすべて再インストールしました…)Mac の方は自動的に認識されるので問題ありません。

使い方

「New」ボタンから新規デバイスを作成します。(画面写真はイメージが付きやすいように WindowsMac をランダムにw)

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この際に、

  • バイスを選びます。
    • バイスにより、画面サイズと DPI がプリセットされています。
    • Windows の場合は Pixel とかを選んでおけば良いのですが、Mac の場合は、良さげなデバイスが無いので、手動で hw.lcd.height を 1920、hw.lcd.width を 1080、hw.lcd.density を 420 や 480 にしておくと良い感じの画面サイズになります。
  • システムイメージを選びます。
    • Windows の場合は、OS を選んで、下の Google APIsGoogle Play Store にチェックを付けるとそれぞれ Google API 付き(通知を受け取れる)の AVD、Play Store 付き(Google Play が使える) AVD が利用されます。チェックが無いと、Intel x86 イメージが利用されます。
    • Mac の場合は、OS を選んだ後で、設定の tag.id で それぞれ google_apisgoogle_apis_playstoredefault を選択してください。Windows と同じく、Google API 付き/Play Store 付き/Intel x86 のイメージが利用されます。
    • これらのイメージがインストールされていない場合は、自動的にダウンロードされます!素敵!(ハンズオン向け!)
  • 必要に応じて下の Add Properties のドロップダウンから disk.dataPartition.size を追加して、2GB とかにしてください。
    • 標準で 800MB のディスクサイズが確保されるのですが、Xamarin のデバッグをしているとすぐに埋まってしまいます…
  • 必要に応じてスキンを選んでください。
    • WindowsMac ともにダイアログで選択できるスキンは少ない(特に Mac が少ない)ですが、設定項目の skin.nameskin.path を手動で修正するとそのスキンが使用されます。
    • 例えば、WindowsMac 共に Pixel 2 のスキンを使用したい場合は、skin.name を「pixel_2」、skin.path を「<Android SDK インストール PATH>/skins/pixel_2」を指定すれば以下のような Pixel 2 のガワで Emulator を表示できます。

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その他カメラ(一部のマシンでは Webcam0 が動きませんが、emulated なら確実に動きます。)や SD カードなどお好きな項目を設定してください。

Xamarin 気になった方は

Visual Studio 2017 をインストールして触ってみてください。手順書は こちらのエントリー をご覧ください。 学習用リソースJXUG リンクページ に参考資料を纏めてますので併せてどうぞ。

Xamarin の導入支援サービスを始めました。ベースは基本的なアプリを一緒に作ることで Xamarin を使えるようになって頂く内容ですが、ご要望に応じて講習内容のカスタマイズも可能です。詳しくは田淵までお問い合わせください(^^)

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